株式会社アップルドクターの電子カルテ現況と提案プロジェクト説明資料

 

吉田 彬
株式会社アップルドクター 代表取締役

 


現在;

お使い頂いている電子カルテは、レセプトの機能に付加して日々の入力画面からテキストベースで直接タイプインしたり、ユーザが例文を用意し選択しながら入力する方式である。画像や、検査データ取込は6月からリ

リース予定である。ハードは、MAC,WINマルチプラットホーム環境でC/Sシステムで運用可能である。6月からのバージョンは受付け、診察、処置等部門間オーダリング機能を備えている。又、分散型データベースシステムとして、患者データを運用データとは切り離し、過去数十年分サーバに保存し、必要であれば、いつでも引き出し利用可能である。診療分野は歯科を除いて全科に対応している。

レセプトユーザ500弱の内38ユーザがテキストベース電子カルテをご使用中で、販売組織は殆ど直販である。

販売価格はレセプト機能80万に電子カルテ機能は10万から20万である。電話でサポートしており、電子カルテ機能のサポート費用は月千円から二千円(基本分は別途8千円)である。自社でレセプト開発と平行して行っている。

 

現状と方向;

医療保険制度下にあるカルテ情報や会計システムと介護保険制度下にあるそれらは統一されておらず、患者等サービス受給者は医療機関間のみならず、介護施設や自宅等を移動することがしばしある状況下、患者情報等の共有が困難な状況である。

解決方法の第一歩は一患者一カルテの実現であり、又、インターネットを利用した情報の共有を可能にすることである。

患者等サービス受給者の情報を基幹病院等に集中管理し、ASP(アプリケーションプロバイダー)機能をインターネット上実装し、各医療機関、介護施設、自宅等が相互に情報をやり取りし、整合性のある地域連携を可能なものとする情報システムを構築する。

 

 

方法;

  1. 長崎大学医療情報部(長医)をデータセンターとし、ASP機能を持つサーバーを立ち上げる。
  2. 吉田内科小児科医院(吉医)はウエブブラウザーで長医のHPを開く。
  3. 長医は吉医に電子カルテ医療用窓口モジュール等を配信する。
  4. 吉医は配信されたモジュールを開き電子カルテを動作可能にする。
  5. 特別養護老人ホーム、博仁荘(白仁)の患者が吉田内科小児科医院(吉医)を受診する。
  6. 吉医の医師が患者所見等をアップルドクター製電子カルテに入力する。
  7. 必要に応じ、電子カルテ介護用窓口モジュール等をダウンロードし、患者介護情報を参照する。
  8. 入力を終えたら、入力内容等を長医に送信する。
  9. 長医は受信内容にタイムスタンプを付与し、保存する。
  10. 白仁は帰ってきた患者の受診結果を参照するために、ウエブブラウザーで長医のHPを開く。
  11. 長医は白仁に電子カルテ介護用窓口モジュール等を配信する。
  12. 白仁は患者介護用電子カルテを開く。

 

場所;

  1. 医療機関;吉田内科小児科医院
  2. 介護機関;特別養護老人ホーム 博仁荘
  3. データセンター;長崎大学医療情報部
  4. データセンターサポート;株式会社 アップルドックター

 

設計;

地域中核医療福祉保健機関として、整合性のある地域機能連携を実現する情報システムの設計

現状、医療保険制度下にあるカルテ情報や会計システムと介護保険制度下にあるそれらは統一されておらず、患者等サービス受給者は医療機関間のみならず、介護施設や自宅等を移動することがしばしある状況下、患者情報等の共有が困難な状況である。

解決方法の第一歩は一患者一カルテ(共通カルテ)の実現であり、又、インターネットを利用した情報の共有を可能にすることである。

患者等サービス受給者の情報を基幹病院等に集中管理し、ASP(アプリケーションプロバイダー)機能をインターネット上実装し、各医療機関、介護施設、自宅等が相互に情報をやり取りし、整合性のある地域連携を可能なものとする情報システムを構築する。

 

評価方法;

  1. 診療所用ウエブブラウザー作動窓口モジュール
      方法;頭書、日々の所見が入力でき、それが参照できる。
  2. 老人ホーム用ウエブブラウザー作動窓口モジュール
      方法;頭書、日々の所見が入力でき、それが参照できる。
  3. 診療所用ASPウエブサーバ、データベースサーバ
      方法;1で入力された内容を取り込み、且つ、提供できる。
  4. 老人ホーム用ASPウエブサーバ、データベースサーバ
      方法;2で入力された内容を取り込み、且つ、提供できる。
  5. 総合結合試験
      方法;実証実験で記載した、方法1〜12を実施する。

 

評価基準;

  1. 患者等サービス受給者の医療用、介護用カルテデータがそれぞれのID、パスワードで一種類だけ引き出せること。
  2. 上記カルテへのアクセスコントロールがアクセス者の権限に従い適正に処理されていること。
  3. タイムスタンプ処理が真正性の担保にふさわしい方式で活用されているか。
  4. 見読性、保存性が担保されているか。
  5. ブラウザーでのインターフェースが適正か。
  6. サーバ機能がデータベースとウエブで整合性をもっているか。
  7. ハッカー対策は十分か。
  8. セキュリティー対策は十分か。
  9. 運用管理の規定が十分か。

 

 
(クリックにて拡大)

 

注;株式会社代表取締役 吉田 彬は、医師であり、吉田内科小児科医院の医院長、特別養護老人ホーム博仁荘の嘱託医を兼務していて、現場間の調整が効果的になされることが期待できる。

企業の略

歴・沿革

1.平成4年株式会社「アップルドクター」設立と同時に医科用診療報酬請

  求事務ソフト「アーチャンレセプト」を開発発売。

2.現在、全国の約500弱の医科診療所及び病院が弊社医科診療報酬請求ソフト「アーチャンレセプト」を購入使用中である。

3.そのうち38ユーザはテキストベース簡易型電子カルテを組み込んだ「アーチャンレセプト」を使用している。

4.平成10年度には老人健康保健施設用報酬請求ソフト「アーチャンレセ

  プト老健用」を開発発売開始。

5.平成11年1月よりソフトウエア使用許諾書を略全てのユーザと締結、

  保守料の安定収入を確保し、2年後は昨年度のそれを倍増する額を見込む。

6.レセプトの開示に続いて、カルテの開示が議論される昨今、当社は時代

  の先陣を切って電子カルテを開発中である。

7.平成8年大阪事務所、平成9年東京事務所、平成10年福岡事務所開設。

  営業、サポート展開の増強を図っている。

8.平成11年末、病院対応レセプト開発納品。

9.平成13年11月、患者終身履歴アクセス可能な分散型クライアント・サーバ型データベースリリース。

10.平成14年2月、レセプト電算処理システム(磁気媒体提出レセプトシステム)リリース

今までに

受けた助

成事業

年度

助成事業の名称

助成機関名

テ ー マ

助成額

H7

長崎県中小企業技術改善費補助金

長崎県企業振興課

遠隔診断システム構築と評価及び電子カルテ開発

500万円

H8

長崎県中小企業技術改善費補助金

長崎県企業振興課

パソコンLANによるレセプトシステムの改善

590万円

H9

長崎県技術開発研究委託

長崎県企業振興課

診療所における電子カルテのセキュリティシステムの開発

770万円

ホームページ;WWW.apple-doctor.co.jp

 

将来的な展望;

電子カルテの要素技術はほぼ完成していると思われるが、依然所見記載等の操作性の向上や予想される入力内容の整備が必要とされる。そこで、入力された文字列に応じ逐次、次に続きうる文字、句、節、文等を提示し選択を促す入力方式を研究中であり、実装をまじかに控えて、既存の弊社ユーザ様が入力された電子カルテデータの分析ツールの開発を行っている。尚、今年2月から磁気媒体レセプト提出を吉田内科小児科医院は弊社システムで長崎県ではじめて開始している。この結果を踏まえ、弊社ユーザの磁気媒体提出を推進したいと考えておる。

電子カルテの普及には一社での力では十分でないと考え、目下、販売サポート体制の整備の為、全国を網羅する薬業卸、検査センターと連携、ASP構築のためのソフトウエア企業との協力関係、HL7.DICOM、XML等のベンダーとの連携、又、長崎、佐賀の銀行系ベンチャーキャピタルの資金支援要請とその関連病院へのシステム提案を計画しております。即ち、開発、資金、販売、サポートの企業間アライアンスをばねに電子カルテ普及に尽くしていきたいと思う。