24時間対応在宅医療支援システムのご紹介

ーリモート電子カルテシステムと(夜間)急患受付システムー

 

三菱商事株式会社
情報ソリューションユニット


1.在宅医療のニーズと24時間在宅医療支援システムの開発

(在宅医療のニーズ)

高齢化の進む我が国では、在宅における要介護老人等が平成7年度約170万人から平成17年度においては約250万人へ増加すると推計されています。また、病気や障害を有している患者の多くはできるだけ地域・家庭において日常生活を送ることを望んでいます。

一方、医療構造改革を進める厚生省は、増大の一途であった医療費(現在約27兆円)の削減を目指しており、その中で入院費の削減の為、必ずしも入院を必要としない老人を始めとする長期入院患者をできるだけ在宅医療や在宅介護へ移行することを求めています。

(24時間在宅医療支援システムのニーズ)

在宅医療は地域に密着した診療所が担うことが求められていますが、医師1人しかいないような診療所単独では24時間対応を必要とする在宅医療を行うことはなかなか難しい状況にあります。そこで、病診連携や診診連携と言われる地域の医療機関同士の連携や医師のグループによる連携により在宅医療を担うことが必要とされています。

しかし、現在のところそのような連携医療を行う場合の費用や業務の分担方法や患者情報の共有方法、またどこの機関が主導するのかなどがまだ不明確であり、何らかのしくみが必要とされています。

(19年間の在宅医療の実績を基にシステムを開発)

そのような中で、過去19年間にわたって先進的に在宅医療に取り組んでこられた、ライフケアシステム(水道橋東口クリニック)の佐藤 智先生のご実績とご指導の元に、コンピュータによって夜間の急患の対応を行い、患者・医師宅等から診療所のカルテを呼び出して往診することを可能とした「24時間対応在宅医療支援システム」を比較的安価で簡便なものとして完成させることができました。

その機能は必要最小限にしてかつ充分でコンパクトにまとまっており、実際の医師の運用に耐えているもので、世の中の製品によく見られるような機能過大でも過小でもなく、また医師の負担やコストの負担が重いものでもありません。

 

2. 24時間在宅医療支援システムの概要

在宅患者が夜間緊急時に診療所にある「急患受付システム」(音声応答録音システム)に電話をかけて用件(氏名・電話番号と容態)を伝えるとそれは録音され、システムは自宅の当番医師のポケットベルを呼び出す。呼び出された当番医師は「急患受付システム」に電話をかけて、患者の用件を聞き出し、即座に患者に電話をかけて容態を聞く。そして往診するかどうかや患者への指示の判断を正確に行うため、医師の自宅や車中からその患者の電子カルテを「リモート電子カルテシステム」から呼び出して見たり、記入を行う。というシステムです。(特許出願中)

特徴1:夜間に無人で急患対応ができる。(当直医師のいない小規模診療所でも対応可能となる。)

特徴2:一診療所(一人の医師)では困難な24時間急患受付と対応が、複数診療所の連携による当番制をとることにより実現しやすくなる。

特徴3:複数の医師の間で患者カルテを共有することにより、24時間対応の在宅医療を交代制で実施できる。

特徴4:在宅患者は緊急時でも、かかりつけ医(または最近の処方を知った医師)に相談でき診療をしてもらえる。(これは救急車を呼ぶのとは異なる。)

 

3.複数の診療所が連携して行う在宅医療の支援事業の提案

(診診連携、病診連携による24時間対応在宅医療)

地域の複数の診療所がグループを組み、連携して交代で在宅患者をケアすれば、1診療所(個人)では無理な24時間在宅医療が可能となり、地域の診療所の必要性も高まり、また往診による診療所の収入増にもつながり、各診療所の経営に寄与すると思われます。