宮崎医科大学の電子カルテ 運用経験と問題点

 

荒木 賢二
宮崎医科大学医療情報部


1. 稼動概要

2000年10月10日より,新総合医療情報システムシステム(PHOENIX2000)の稼動を開始した.オーダリングは,一部を除き,完全に電子化された.診療記述の電子化が可能な電子カルテシステムを提供している.

2. 電子化の達成程度

外来では,約4診療科でかなり使われているが,病棟での電子化は進んでいない.画像で電子化されているのは,CTのみである.

3. 末端のユーザーの評価,電子化のメリット

明確な電子化の意義が見出せないために,負担増というとらえられ方が大半である.電子カルテ検索システム(後利用システム)の評価は高いが,構造化された文書の電子化が進んでいないために,学術的な検索に活用されるには至っていない.

4. 今後の展開

  1. 危機管理システムの導入
    患者リストバンドとバーコードスキャナを併用した危機管理システムを導入すべく準備を勧めている.注射等の実施入力を兼ねる.
  2. 地域連携システム
    経済産業省プロジェクトである宮崎健康福祉ネットワークに,宮崎医大電子カルテシステムを組み込み,医大と地域の関連病院との医療情報連携を図る.


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