ebXMLとその展開

北原淑行

インフォテリア株式会社


概要

ebXML ( electronic business XML)の構想は世界中の業界関連者や標準化機関と情報技術ベンターが協力してebXMLイニシアティブを組織し、1999年9月から開始され、2001年5月に「ebXML技術仕様」が策定されました。

目的は、「ネットワーク統合化における電子ビジネスデータ交換の標準化とその普及」です。

近年、データの交換にはXML による標準化が進み、あらゆる分野、業界で電子データ交換をおこなうためのアプリケーションや仕様が作成されています。

ebXMLは、ビジネスプロセスの標準フレームワークとして利用してもらうことを目標としているので、様々な業界、業態に向けてebXML技術仕様をベースに業界ごとの機能仕様を追加して、利用できる様、様々な団体と一緒に活動を行っています。

標準電子取引参照モデル

ebXMLでは、電子データ交換の敷居を低くするために、標準的なビジネスシナリオと情報基盤を提供して、当事者のシステムをできるだけ簡単に構築できるようにするための枠組みを定義しています。
ebXML技術仕様では、「標準電子取引参照モデル(ISO/IEC 14662 (Open EDI Reference Model))」を採用しています。

ebXML メッセージングサービス仕様

ebXMLのメッセージングサービスでは、様々な通信手順(HTTP/S, FTP, SMTPなど)を通じてビジネス文書を交換する時の、メッセージの安全性と信頼性を保証するためのプロトコルを定義しています。

ebXMLでのメッセージングサービスは以下の3つの構成内容から成り立っています。

抽象化サービスインターフェース層
Send --- ebXMLメッセージを送信するインターフェース
Receive --- ebXMLメッセージを受信する意思を表示するインターフェース。
Notify --- 予想されるイベントを通知する。また想定外(システムエラーなど)のイベントを報告するインターフェース。
Inquire --- 交換される特定のebXMLのメッセージの状態を問い合わせするインターフェース
XMLメッセージングサービス層
ebXMLメッセージの作成/構文チェック
CPAの適用機能
高信頼性オプションのサポート --- Best Effort配信, 1度限りの配信,同期/非同期メッセージング,要求/応答処理,エラー回復
セキュリティー関連機能のサポート --- 身分証明,認証,アクセス承認,暗号化,メッセージ署名,否認不可,ロギング
内部システムとのインターフェース --- 受信してメッセージの内部システムへの転送,エラー通知
管理サービス
トランスポートサービス層
HTTP, SMTP, FTPなどのトランスポートサービス

本セミナーでは、ebXMLとMMLについてのインフォテリアの考えをお伝えし、ebXMLアジアにて最高位のレベル3の認定を受けたebXML実装のデモンストレーションを行います (http://www.infoteria.com/jp/news/press/pr040604.jsp)

参考資料

ebXML Technical Architecture Specification v1.0.4 (http://www.ebxml.org/specs/index.htm)
ebXML技術解説 (SRC社刊行)